イラストレーター鈴木周作【公式】

北斗星乗車記・乗車記録(#356~#360) Boarding record and Travel diary of Hokutosei

▼~H22/2010.5.25(355回目) ▲H22/2010.9.8(361回目)~ ■乗車記録メニューへ

通算 乗車日/列車 乗車記
#360
2010.9/4
北斗星(上り)
札幌→宇都宮
(B1)

▼Next ▲Prev
■Menu
北斗星新型機関車、初体験♪

 2ヶ月近くも乗車機会に恵まれなかったのは久々の事。
 その間、新型機関車「EF510」のデビューをはじめ、日本海側経由の迂回運転(岩手県内土砂災害の為)、運行障害に伴う予備車両による運転(旧「北斗星3・4号」のロビーカーが約2年半ぶりに営業復帰!)、更には馴染みのコックさんの引退…等々、色々な出来事があっただけにすっかり浦島太郎の気分です。
 ともかく久しぶりの「北斗星」、今回ばかりはゆっくり旅を楽しみたい気もしますが、実はとある企画に備えて車窓風景のポイントをくまなく調べ上げておかねばなりません。
 乗れば結局、取材モードになってしまうのは毎度毎度の事ですね。


北斗星

 残暑はまだまだ続いていますが、早まりつつある夕暮れに確かに秋の気配を感じます。
 千歳あたりで夕陽が差し込み、社台、白老の牧場を通過する頃には既に薄暗くなっていました。
 夏至の頃には夕焼け空、これからの時期は白いイルミネーションが車窓を彩る室蘭の白鳥大橋です。

北斗星

 車内販売のアイスクリーム。
 時々種類が変わっているようですが、今回は夕張メロンシャーベットを頂きました。
 ちなみにシャワーカードは今年3月以降、ずっと「カシオペア」の絵柄のままです。

北斗星

 今回の寝台は列車後方・9号車の1人用B個室「ソロ」。
 いつもはB寝台なら列車前方・1号車の禁煙車、「ソロ」でも5号車か6号車に当たるケースが多いので、どちらかといえば私にとっては馴染みの薄い車両ではあります。
 長万部駅停車中、デッキから眺めるホームの景色もいつもとは違う雰囲気です。

北斗星

 これも1号車からだと遠過ぎてなかなか見に行けないシーンです。
 函館駅、ホーム先端での機関車連結風景。
 列車先頭・1号車の前のディーゼル機関車を切り離すと同時に、最後尾・11号車の隣の電源車(業務用車)の側に青函トンネル用の電気機関車が連結されます。
 今日も大勢のお客さんがカメラを手に興味深そうに見入っておられました。

北斗星

 パブタイムの食堂車。
 今日もファイターズが勝ったのでケーキ付きです♪

 ちなみに今日はデーゲームだったのですが、なかなか点が入らない苦しい展開で延長戦突入。
 出発までに決着がつかず、結局延長12回、ヒットと連続四球から飯山選手の犠牲フライでようやく勝ち越したのは南千歳を過ぎた頃だったでしょうか?
 電波状態の悪い中、やきもきしながら携帯電話の速報サイトに見入っておりました(笑)。

北斗星

 前回乗車時(→10.7/11)に壊れてしまった「北斗星」のオリジナルストラップ。
 結局、新しいものに買い直すことにしました。
 但し革製の握り部分は私が別に用意したもの。
 また、古いものの残骸もまだ残っているので、三日月がふたつになってしまいました。

 このストラップ、私のまわりでも結構使っている人が多いようです。
 数ある「北斗星」グッズの中でも、最も手頃で実用的な一品と言えるかも知れません。

北斗星

 それにしても、クーラーは入っているはずなのに部屋がどうも蒸し暑いと思ったら…。
 確か5号車の「ソロ」にはあったはずの「換気」スイッチがこの9号車には無い事に気付きました。
 つまり、いくら冷風を吹き出そうとしても、部屋の空気の抜けが悪いのでなかなか涼しくならない…という事情のようです。
 9号車は「ソロ」の中でも最初期の車両なので、あるいは設計段階ではそこまでは気付くことができなかったのかも知れませんね。
 そういえば、ほぼ同設計の寝台特急「北陸」の「ソロ」も、特に夏場などは蒸し暑く感じることが多かった気がします。

 試しにドアを1~2センチほどしばらく開けておいたら嘘のように快適になりました。
 9号車「ソロ」の利用法として、覚えておいて損はないと思います。

北斗星

 翌朝、福島盆地のあたりで朝陽を迎えました。

 福島駅に到着すると、隣のホームに珍しい列車が入ってきました。
 今では希少な、「北斗星」よりも古い世代の寝台電車です。
 勿論、普段はここですれ違う事はないので、何かの臨時列車か回送列車だったのでしょう。
 こうして寝台列車同士が並ぶというのも今となっては滅多にない事。
 懐かしさ漂うホームの雰囲気もあいまって、国鉄時代に戻ったかのような一瞬の光景でした。

北斗星

 車中から連結作業を見ることはできませんが、昨晩、青森信号場から機関車が最新鋭の「EF510」に替わっているはずです。
 実は「EF510」がデビューしてから「北斗星」に乗るのは今回が初めて。
 確かに発車時の加速が今までよりも力強くなった気もしますが…まぁ、単なる先入観でしょう(笑)。
 何かの都合で今日に限って在来機が牽いていたとしても、乗り心地の違いに気付く自信はありません。

 白河手前の大きな左カーブ、窓にへばりつくように前方を覗いてみると、確かに真新しい青い機関車が先頭に立っていました。

北斗星

 スケジュールの関係で今回は宇都宮から新幹線乗換え。
 終点まで乗っていけないのはちょっと残念ですが、そのかわり列車を牽いて動き出す「EF510」を間近で見送ることができました。
 在来機よりも一際大きく、力強く見えるのに、違和感なく馴染んでいるのはやはり客車と揃えられたボディカラーのおかげでしょうか?
 ついでに言えば騒音も在来機よりも逞しい感じです(笑)。


▼Next ▲Prev △Page top ■Menu
#359
2010.7/13
北斗星(下り)
上野→札幌
(B下)

▼Next ▲Prev
■Menu
北斗星赤い機関車、最後の花道

 後で訊けばこの翌日、7月14日発の列車から機関車が最新鋭の「EF510」に置き換えられたとか。
 図らずも在来機「EF81」が牽く最後の下り「北斗星」に乗ることとなりました。
 もっとも「カシオペア」は先月25日発の列車から既に「EF510」に替わっていましたし、「あと数日中には…」との噂は先週あたりから薄々耳に入ってはいたので、もしかしたら?とは思っていたのですが…。
 でも、1日違いで新しい機関車の一番列車ではなく古い機関車のラストランの方に当たったというのも、積年のリピーターとしてはむしろ有難い偶然だったのかな?という気がしています。
 やはり噂が流れていたのか、発車前の上野駅13番線はカメラを手にした方々で大変な賑わいでした。



北斗星

 上野を出てほどなく尾久の車庫を通過する時、検修庫の中に銀色の機関車が停まっているのが見えました。
 つい最近完成したばかりの「カシオペア」専用の「EF510」です。
 今のところ「カシオペア」も「北斗星」と同じ青い「EF510」が牽いているようですが、準備が整い次第、そう遠くないうちにはあの車両が専らその任に就くことになりそうです。
 言い換えれば青い機関車が牽く「カシオペア」は今しか見れない貴重な記録、ということになりますね。

北斗星

 車内も結構な賑わいぶり。
 B寝台の上段まで殆ど埋まる程の乗車率でしたが、こちらは「EF81」のラストラン云々というよりも、夏の北海道を楽しまれる団体さんや観光客グループの方々が多かったようです。

 ディナータイムが少々長引いて21時45分頃、いつもより30分ほど遅れてのパブタイム。
 きっと今夜は混みそうだと思ってオープンと同時に席に着いたのはやっぱり正解だったようです。
 ちなみにファイターズが勝った日は食後にケーキセットを追加するのがお約束。
 最近では一部のアテンダントさんもその法則に気付かれているようです(笑)。

北斗星

 23時30分、仙台駅発車。
 三脚にカメラを据えた大勢のファンの方々がここでも列車を見送っていました。

北斗星

 深夜2時過ぎ、上り「北斗星」とすれ違い。
 「EF81」同士のすれ違いもこれが最後となりました。

北斗星

 先頭の1号車に乗っていると、すぐ目の前で奮闘する機関車の唸りや甲高い汽笛がベッドの中でも聴こえてきます。
 新しい機関車に替わったら、聴こえてくる音や揺れ方もきっと変わってくるのでしょうね。

北斗星

 早朝4時過ぎ、青森信号場に到着。
 「EF81」はいよいよここで御役御免です。
 いつものように淡々と切り離されていく姿を見ているとまだ実感できませんが、この光景もこれが最後なんですね。

北斗星

 乗車359回目…ということは、当然ながらこの機関車にも359回お世話になってきたことになります。
 開業以来22年余、ずっと「北斗星」と共に旅を続けてきた機関車ともこれでお別れです。
 側線に引き上げていく淋しげな姿に見送られて、旅はまだまだ続きます。

北斗星

 青函トンネルに入る前にだいぶ明るくなってきました。
 上りのダイヤが少々遅れているのか、いつもは途中のトンネルの中ですれ違う青森行きの急行「はまなす」が高架橋の上ですれ違っていきました。
 明るい時間帯、夜行列車同士のすれ違いというのも今となっては貴重なシーンです。

北斗星

 目が覚めると函館到着、少し肌寒い位の涼しさでした。
 雲が低く垂れ込めていて駒ケ岳の雄姿は望めそうにありません。
 朝霧の大地を進みます。

北斗星

 長万部の手前でモーニングタイムの食堂車へ。
 昨晩の混雑ぶりを見て少々覚悟して行ってみると、少々拍子抜けするほどの静かな車内でした。
 それでも洞爺、伊達紋別あたりまでにはかなりテーブルが埋まってきましたから、たまたまお客さんが途切れるタイミングだっただけのようです。

 「只今、左手後方に有珠山と昭和新山が…」と車内放送が流れると、食堂車のお客さんが一斉に振り返りました。
 いかにも観光シーズンならではの車内の雰囲気です。

北斗星

 札幌に着いた時に気付いたのは、以前とは違って車掌さんが最後尾1号車の乗務員室からドア操作を行っていた事。
 そして先頭まで行ってみると、機関車の鼻先がホーム先端から若干飛び出して停まっていました。
 報道等でご存知の方も多いかと思いますが、所定の位置より手前に停まり過ぎて1号車デッキがホームにかからない状態でドアを開けてしまったという、つい先月のいささか不名誉なアクシデントを受けての対策でしょうか?

 本州側での新型機関車導入に至った経緯も老朽化した在来機「EF81」の故障があまりにも多いからと訊きましたし、北海道側でも客車のリニューアル工事の噂が囁かれている様子。
 ともかくソフト、ハードともに地道な改善が施されつつあるのは嬉しくも頼もしい限りです。
 ますます安全・快適な「北斗星」の旅をこれからも提供して下さるよう、期待を込めて応援し続けたいと思っています。


▼Next ▲Prev △Page top ■Menu
#358
2010.7/11
北斗星(上り)
札幌→上野
(B下)

▼Next ▲Prev
■Menu
北斗星もしや世代交代の節目?

 夏を迎えた日曜日の上り列車、観光客の方々で車中も結構賑わっていました。
 いつもより混みそうな気がして早めに出掛けたパブタイムの食堂車、ちょうど函館に着く頃に料理が出てきたので、ホームに降りて窓の外から自分のテーブルを撮ってみました。
 ちょっとお行儀悪かったかな?と反省しつつも、こういうカットは今後の創作の貴重な資料。
 それに幸いよく存じ上げているアテンダントさんだったので、食事の途中で中座しても軽く笑われただけで済みました。
 天気予報によれば本州方面は少々荒れそうだとか。
 ホームに降りると台風の前みたいな湿った生温い風が吹いていました。



北斗星

 1号車の寝台に戻ってふと携帯電話を見ると、お気に入りのストラップが消えていることに気付いて愕然!
 慌てて1両1両、廊下を這うように探し回ったら、6号車のロビーカーのソファーの上に落ちているのが見つかりました。
 食堂車で売っている「北斗星」のヘッドマーク・ストラップに、「銀河鉄道の夜」をモチーフにした象嵌細工のストラップ…確かカミサンが小岩井農場かどこかで買ってきてくれたものだと思いますが、それを一旦バラして自分で組み合わせて作ったオリジナルの一品。
 そういう無理な加工をするから外れやすくなってしまったんですね…。

 ともかく、無事手元に戻ってくれてホッとしました。
 でも危ないからしばらく付けるのはやめておきます。

北斗星

 本州に入ると少々雨が激しくなってきたようです。
 青森信号場で機関車交換。
 そういえば「EF510」なる新型機関車がそろそろデビューかも?との噂が流れているようですが、どうなんでしょう?
 実は事情通のお客さんや関係者の方、それに友人からも色々な話を伺ったのですが、どの情報も微妙に異なるようで…。
 果たしていま連結されたのが「EF510」なのか、それとも在来型の機関車なのか、ここからは見えないだけに余計気になります。

北斗星

 深夜1時頃、下り「カシオペア」とすれ違い。
 あちらは既に先月から「EF510」による牽引です。
 暗闇の中でしたが、目を凝らすと確かに今までとは違う機関車が牽いているのが分かりました。

北斗星

 続いて深夜2時10分頃、下り「北斗星」とすれ違い。
 荒天の影響で遅れているかも?と思ったのですが、どうやら定刻通りのようです。
 肝心の機関車は…多分、在来型だった気がします。

北斗星

 翌朝、南東北から北関東まで、いかにも梅雨らしい空模様と風景です。
 大きなカーブに差し掛かった時、列車前方を覗き込んでみると赤い機関車が見えました。
 「EF510」なら青色のはずですから、どうやらまだ在来機だったようです。

北斗星

 引退間際の赤い機関車をカメラに収めようと、駅や沿線には凄まじい数のファンの方々が詰め掛けていました。

北斗星

 終着・上野に着く直前、突如もう一本の「北斗星」がやってきてビックリ!
 どうやら尾久の車両基地から大宮の工場あたりに送られる回送列車だったようです。
 律儀に「北斗星」のテールマークまでちゃんと掲げています。
 機関車含めてたった3両編成、オモチャみたいな「北斗星」でした(笑)。

北斗星

 そういえば昨日は参議院選挙の投票日。
 こういう時に丸々ひと晩車中にいると、世間の情勢からすっかり取り残されてしまいます。
 訊けば今朝は車内販売でも朝刊が飛ぶように売れていたとか…。

北斗星

 心配していた空模様もさほど激しく荒れる事も無く、今回は定刻通りに上野到着。
 早速機関車の方を見に行ってみると、既に多くのお客さんやファンの方々がカメラを手に機関車を取り囲んでいました。
 
 ちなみに今朝の機関車「EF81-81」は、かつて昭和天皇の御召列車を牽いた由緒ある機関車。
 他の機関車とは違って、銀色に塗られた手すりや連結器がその歴史を物語っています。
 大きな声では言えませんが、4ヶ月ほど前でしょうか?
 どこでどのようにぶつかったのか、正面の手すりに串刺し状になった鳥の死骸をくっつけたまま走ってきた姿を見て青ざめたのも確かこの機関車でした。

 色々想い出は尽きませんが、「北斗星」を牽くのもきっと今回が最後でしょう。
 心の中で「ありがとう…」と唱えながら、車庫に引き上げていく回送列車を赤いテールランプが見えなくなるまで見送りました。


▼Next ▲Prev △Page top ■Menu
#357
2010.5/31
北斗星(下り)
上野→札幌
(B下)

▼Next ▲Prev
■Menu
北斗星(準備中)

 


▼Next ▲Prev △Page top ■Menu
#356
2010.5/29
北斗星(上り)
札幌→上野
(B下)

▼Next ▲Prev
■Menu
北斗星(準備中)

 


▼Next ▲Prev △Page top ■Menu
【寝台】 A1:1人A個室ロイヤル A2:2人A個室ツインDX B1:1人B個室ソロ B2:2人B個室デュエット B上:B寝台上段 B下:B寝台下段

▼~H22/2010.5.25(355回目) ▲H22/2010.9.8(361回目)~ ■乗車記録メニューへ

ページトップへ