北斗星乗車記・乗車記録(#316~#320) Boarding record and Travel diary of Hokutosei
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#320 |
2008.11.26 北斗星(下り) 上野→登別 (B1) ▼Next ▲Prev ■Menu |
惜別の旅 顔なじみのアテンダントさんが近々乗務を降りられると伺いました。 いつも素晴らしい笑顔の接客ぶりが印象的な方でした。 いわゆる「リピーター」になってしまうと、一期一会という言葉もつい忘れてしまうもの。 この列車で、この人たちとずっと一緒に旅を続けられるような錯覚すら抱いてしまうものですが、でも旅には必ず終わりがあって、そして持てる時間は自分が思うより遥かに短いものなんだと、そんなアタリマエの事に改めて気付き愕然となる事もしばしばです。 せめて絵描きとして、この列車に携わられた皆さんが本当に「良かった!」と思って下さるような作品を少しでも長く描き続けていけるよう、気を引き締めて取り組んでいかねばと改めて考えさせられました。 上野発車後、すぐに食堂車にシャワーカードを買いに行ったのですが既に長蛇の列! オフシーズンだと思って油断していましたが、さすがに金曜の夜は混むみたいですね。 パブタイムの食堂車。 かなり混みそうだと覚悟していたのですが、意外とすぐに座る事ができました。 臨時列車でしょうか?福島では同じホームの反対側に旧型の寝台電車が停まっていました。 もう随分前になりますが、私も一度だけ、今はなき上野発青森行きの「はくつる」であの電車に乗った記憶があります。 ベッドの幅はむしろ「北斗星」より広い位なんですが、3段寝台なので寝返りを打つのも大変でした。 しかし今夜もまた妙な列車とぶつかるものですねぇ…。 今の季節、日の出は函館を過ぎてから。 列車の遥か後ろから、追いかけるように朝陽が差し込んできました。 晴れ渡った空に穏やかな湖面、雪を抱いた駒ケ岳。 下り列車に乗るたびに楽しみな大沼国定公園の車窓風景、今日も大当たりでした。 モーニングタイムの賑わいも一段落した食堂車。 東室蘭を過ぎてすぐ、ふと車窓右手の操車場に目をやると、見覚えのある青い客車が10両ほど連なって停まっていました。 それが今まさにミャンマーへと旅立とうとしている「北斗星」客車だという事はすぐに判りました。 気付いたアテンダントさん達も「アッ!」と一斉に車窓を覗き込みます。 何両かのA個室「ツインDX」に続いて食堂車が3両、数両置いてもう1両…懐かしい赤いテーブルランプはカーテンに閉ざされてよく見えませんでしたが、紛れもないあの「北斗星1号/2号」の客車たちが私達の前をゆっくりと流れ去っていきました。 ずっと一緒に旅を続けたアテンダントさんに、まるで客車たちが「さよなら」を告げているかのようでした。 登別で「北斗星」を降りるのはこれが初めて。 この駅自体、未だ訪れた事が無かったかも知れません。 郷愁漂う寝台列車が良く似合う、昔ながらの汽車駅…といった佇まいの良い雰囲気の駅でした。 先ほどの「北斗星」客車が気になったので、普通列車で東室蘭まで戻って操車場の脇まで歩いてみました。 勿論、構内に立ち入る事はできませんが、幸い敷地外の道路からでも柵越しにはっきりと眺める事ができました。 狭い厨房で忙しく動き回られるコックさん、まるで曲芸のように両手一杯にお皿を載せて揺れる車内を器用に歩かれるアテンダントさん、お酒が入って上機嫌のパブタイムの乗客達…「北斗星」の中でも最も活気溢れる車両だっただけに、灯を落としてひっそりと佇む食堂車の姿には胸が詰まりました。 それでも、ともかく最後に別れを惜しむ機会が得られた事を感謝すべきかも知れませんね。 ありがとう、「北斗星」客車…。 ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
#319 |
2008.11.26 北斗星(上り) 函館→上野 (B1) ▼Next ▲Prev ■Menu |
移住後初の函館乗車 意外にも…と言うべきでしょうか? 改めて調べてみると最後に函館から乗ったのは移住前の'02年の7月14日、実に6年以上も前の事でした。 東京に住んでいた頃は北海道を巡って最後、函館から「北斗星」に乗って帰る事も多かったのですが、なまじ札幌あたりに住んでしまうと敢えて寄る機会はすっかり減ってしまうものです。 今回は途中の風景取材も兼ねて、札幌から列車を乗り継ぎ、寄り道しながら函館に辿り着いたのが「北斗星」到着の約30分前。 まだ誰もいないホームの先では、青函トンネル専用の電気機関車が独り静かに主の到着を待ち続けていました。 車内改札を済ませたらまずはパブタイムの食堂車へ。 久しぶりにピザを頼んでみました。 私がしばしば函館から乗っていた頃はまだビーフカレーはメニューに無くて、パブタイムメニューではスパゲティ・ペスカトーレとミックスピザが特にお気に入りでした。 ペスカトーレがメニューから外れてしまったのはいつ頃だったでしょうか? 今でも時々、無性に食べたくなってしまいます。 深夜0時過ぎの青森信号場。 いつものように機関車交換を終えて発車するその時、隣の線路に突如もう1本、「北斗星」の客車が入ってきてビックリ! 訊けば先のダイヤ改正・減便で余剰となった客車たちがミャンマーに送られる事になり、その回送列車が船積みされる川崎の港まで運転されたんだとか。 ほんの一瞬、思いがけぬ最期の再会でした。。。 ともかく貴重な瞬間をカメラに収めてホッと一息ついていたら、居合わせたアテンダントさんに「あんなに慌ててる周作さん初めて見ましたョ!」と笑われてしまいました。 少し遅くなってしまったので、モーニングタイムは紅茶だけで失礼しました。 車窓に広がる北関東の枯野。 北海道の雪景色とはまた違う意味で、冬の美しさを感じる素朴な良い風景です。 宇都宮駅のはずれになぜか「カシオペア」の機関車が。 目ざとく見つけたアテンダントさんも「何で?」と不思議がっておられたようです。 どうも今回は妙な列車とぶつかるものです。 それまでの冬晴れから一転、宇都宮を過ぎると突然重い雲が垂れ込めてきました。 「列車遅れまして大変ご迷惑を…」との再三のアナウンスに少々不安になりましたが、幸いにも僅か4分の遅れで無事に上野到着。 この先の接続も余裕で間に合いそうです。 実を言えば些細な怪我と、仕事の都合で2週間ほど日程を先送りしていた今回の旅。 でもそのお陰で昨晩、遠く異国へと旅立っていく「北斗星」客車の最後の姿に出会う事ができたのですから、これもまた不思議な運命の巡り合わせのような気がします。 あの客車たちとはもう二度と会う事は無いでしょう。 せめてこの先、日本に残った仲間の客車たちには、最後の最後まで輝き続けていて欲しいと願うばかりです。 ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
#318 |
2008.10.20 北斗星(下り) 上野→札幌 (B1) ▼Next ▲Prev ■Menu |
福井からの帰路 往路は生涯初めての「トワイライトエクスプレス」で福井まで。 復路は米原~新幹線経由で上野から「北斗星」。 決して良し悪しという意味ではなく、各々の特徴、性格の違いが垣間見れて実に興味深い旅になりました。 ほぼ全ての乗客が観光旅行、乗ること自体が目的の純然たる「クルージングトレイン」と、旅行者のみならず、出張、用務、冠婚葬祭…さまざまな人が、それぞれの事情を抱えて乗り合わせる伝統的な寝台特急。 「トワイライト~」が人生の節目に乗る列車なら、人生そのものを運んでいるのが「北斗星」なのかな?…と、ふとそんな気がしました。 漠然とした言い方ですが「トワイライト~」はやっぱり大阪の列車。 ちょっとしたやりとりの中でも場の空気を明るくしてくれるアテンダントさんの接客ぶりにもそれは感じられました。 一方、我らが「北斗星」はいかにも北海道的と言いましょうか? どことなく純朴な印象を受ける方が多いような気がします。 北海道が心底好きで移り住んだ私にとっては、そんなところにもちょっとした居心地の良さを感じてしまいます。 単純な優劣比較は本意ではありませんが…。 ひとつだけ、「北斗星」に軍配を上げるとしたらシャワールームの床に「スノコ」が敷いてある事。 「トワイライト~」にはこれが無かったので、脱衣場の床まで濡れてしまっていたのが少々気になりました。 逆に「トワイライト~」が優れているのはB個室にもコンセントがついている事…でしょうか? 仙台間近、良い月が浮かんでいました。 朝の函館駅。 デッキの窓が曇るほどの冷え込みです。 福井ではまだクーラーがフル稼働だったのですが…。 紅葉にはまだ少し早かったようですが、車窓は気持ちの良い秋の北海道です。 少し遅めに食堂車に行くと既に誰もいませんでした。 つい遠慮して隅の方に座ってしまいましたが、どうせ空いているならもっと広い席に座っても良かったですね。 貸切みたいで贅沢な気分…というより、なまじ存じ上げているアテンダントさんだけに、見張られているみたいで緊張しました(汗)。 次はもう少し早めに行くことにしますか。 ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
#317 |
2008.10.3 北斗星(下り) 上野→札幌 (B下) ▼Next ▲Prev ■Menu |
出会い、様々 最近では珍しく閑散としていた往路とは対照的に、復路の札幌行きは中国の方とおぼしき大人数の団体さんも乗り合わせて車内は大賑わい。 そのせいか食堂車のディナーも、パブタイムのオープンもいつもより若干押し気味だったようです。 閉店間際にどうにか座れた食堂車で相席させて頂いた男性は、お子さんを連れて福岡からわざわざ「北斗星」に乗りに来られたとか。 明日札幌に着いたら午後の「トワイライトエクスプレス」で帰られる強行軍との事ですが、乗り物好きのお子さんにとってはきっと素晴らしい想い出になる事でしょうね。 青函トンネルまで頑張って起きていようか?それとも一旦寝てから早起きしようか?…と悩んでおられたので、「トンネルを抜けてからの海が素晴らしいですよ!」と、早起きのほうを薦めさせて頂きました。 私も昨晩は仙台を過ぎたあたりで早めの就寝。 そのかわり、朝はちょっと早めに起き出しました。 4時過ぎに青森(信号場)で機関車交換。 夏場ならそろそろ夜も明ける頃ですが、今の季節はまだまだ真っ暗です。 雨粒で濡れるデッキの窓越しに眺めていたら、カメラを持った御同輩が2人ほど覘きに来られました。 朝のロビーカーで居合わせたお客さんに声を掛けて頂きました。 初めての「北斗星」を楽しみに乗られたという母娘連れと、もう何度も乗られているというリピーターの男性。 嬉しい事にご旅行前、私のWebサイトを御覧頂いた事があったそうです。 こういう出会いも「北斗星」ならではの旅の楽しみのひとつですね。 青函トンネルを抜けると雨も止んで、やがて函館山の向こうから素晴らしい朝陽が顔を出しました。 「今行かれるなら左側のテーブルがいいですよ!」 6時半のオープンを待ちかねて食堂車に向かわれた母娘連れのお客さんにそうお薦めしておきました。 秋晴れの大沼国定公園、駒ヶ岳のこの雄姿、楽しんで頂けたでしょうか? 「今見えているのが有珠山です」 洞爺あたりで食堂車のテーブルに就くと、男性のアテンダントさんが折しも車窓ガイドの真っ最中。 乗り合わせた団体さんも興味津々、車窓を覗き込んでは歓声をあげていました。 以前にもこの方の列車に乗り合わせた事がありますが、そのサービス精神にはいつも頭が下がります。 「この先、有珠山の隣の昭和新山が見えるポイントがあるんですよ。鉄橋を渡っている時に左をよく見て下さいね」 「右手の海の向こうに山が見えるでしょう?あれがさっき通ってきた駒ケ岳なんですよ」 なるほど!噴火湾を回ってくれば確かにこの方角に見えるはずですよね。 目から鱗です。。。 「一瞬、羊蹄山が見えるポイントもあるんですけど、今日は雲が掛かっていて駄目そうですね」 サービス精神はもとより、アテンダントさんの博学ぶりには只々感心するばかりです。 「お仕事の合間によくこれだけ調べられましたねぇ!」と申し上げたら、「それだけ仕事してないって事ですよ…」と笑っておられました。 寝台車の向かいの席におられた年配の男性、とても82歳とは思えないお元気そうな様子でしたが、これから108歳になる札幌のお母様に会いに行かれるのだと伺って更にビックリ! 色々な方がおられるものですねぇ。 一期一会…なんて使い古された言葉ですが、たまたま乗り合わせた同士の束の間の交流、ささやかな連帯感、そんな汽車旅の素晴らしさをいつも以上に噛み締めることができた今回の旅でした。 ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
#316 |
2008.10.1 北斗星(上り) 札幌→上野 (B下) ▼Next ▲Prev ■Menu |
台風、危うく回避! 台風15号接近の報に出発延期も考えましたが所望の便が満席で変更できず。 出発間際までやきもきさせられましたが、結局台風は太平洋上に抜けて温帯低気圧に変わってくれたようです。 雨雲が低く垂れ込めた札幌の街を車窓に眺めながら、ともかく無事出発できてひと安心です。 車両検査の都合でしょうか? 今日は5号車・1人用B個室ソロの代わりに2人用B個室デュエットが入っていました。 そして通常デュエットが連結されている2号車には代わって予備車の開放式B寝台が入って…つまりは2~4号車がそのまま3~5号車にシフトしたわけですね。 このように代車を入れる場合、単純に差し替えるのではなく、号車をシフトしてでも同じ寝台設備の車両をまとめるよう配慮されているようです。 結果、いつもは5号車にある乗務員室が2号車まで離れることになり、乗務員さん達の動き方もいつもと違っていたようですが…。 ディナー開始の車内放送の為、いつも南千歳あたりで6号車ロビーを通って乗務員室に向かわれるアテンダントさんの姿が今日は見られなかったのもそんな理由だったんですね。 「カレー好きですねぇ…」と顔なじみのアテンダントさんに笑われてしまいました。 一度気に入るとついつい同じものを注文してしまうものです。 おなじみ「昔懐かしの食堂車のビーフカレー」。 「初夏のスペシャル」と書かれていたメニューはいつのまにか「食欲の秋にぴったり」に変わっていました。 今日は特別に食後のケーキも頼んでしまいました。 (ファイターズが勝った晩はデザートが増えるのが我が家のルールです) この一皿でテーブルの彩りが増してちょっと嬉しくなります。 コーヒー単品で400円、ケーキセットでも700円ですから、お腹に余裕があれば時々頼んでみても良さそうですね。 翌朝、仙台あたりで目が覚めました。 外はようやく白み始めた位。 随分日が短くなってきたんですね。 福島盆地に入ったあたりでようやく日の出です。 収穫間際の黄金色の稲穂が朝陽に輝いていました。 南東北、美しい日本の秋です。 「洋食でしたっけ? 食後はコーヒーですね」 注文する前にアテンダントさんに言い当てられてしまいました。 前回、8月の混雑が嘘のように静かな朝の食堂車。 こういう落ち着いた雰囲気も久々のような気がします。 ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
【寝台】 A1:1人A個室ロイヤル A2:2人A個室ツインDX B1:1人B個室ソロ B2:2人B個室デュエット B上:B寝台上段 B下:B寝台下段 |