イラストレーター鈴木周作【公式】

北斗星乗車記・乗車記録(#311~#315) Boarding record and Travel diary of Hokutosei

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通算 乗車日/列車 乗車記
#315
2008.8.26
北斗星(下り)
上野→札幌
(B下)

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北斗星豪雨の翌日

 東北地方豪雨の影響で前日の夜行は「北斗星」「カシオペア」共に運休。
 でも上越線~日本海経由の青森行き「あけぼの」は動いていたようですから、その気になれば迂回運転で何とかいけそうな気もするのですが…。
 ダイヤ調整、機関車・乗務員の手配、途中駅での乗降客への対応…等々、一口に迂回といっても大変なリスクを伴うことは容易に想像できるのですが、たとえ何時間遅れになっても運休よりは有難いもの。
 うがった見方かも知れませんが、敢えてリスクを背負ってまで輸送を確保する必然性が認められないほど、夜行列車の存在意義が薄れてしまったのかな?…と、ちょっと残念に思いました。
 とりあえず、私自身は乗車予定の前日だったので辛くも救われたわけですが…。



北斗星

 「昨日の大雨の影響で2号車を変更しております。お席の決まっていないお客様は車掌まで…」と、発車前から繰返しアナウンス。
 運休で車両運用が1日分ズレてしまったようです。
 車掌さんに伺えば2号車が2段式のB寝台から2人用B個室「デュエット」に変わってしまい、定員も32名から26名に減少との事。
 しかも「代車」が2人用個室とあっては相部屋というわけにもいかないでしょうから、調整にはさぞ苦労された事でしょうね。

 ちなみに私も一度、同様の車両故障に遭った事がありますが、その時は閑散期だったので「デュエット」を一人で使わせて頂き却って得したのを覚えています。

 そうそう、ホームに入ってくる列車を眺めていたら、食堂車の厨房の窓にコックさんの姿がありました。
 ひと足先に尾久の車庫から乗り込んでディナーの準備をされていたようです。
 以前の「北斗星1号」ではコックさんもアテンダントさんも上野から乗られていた記憶があったので、てっきり今の「北斗星」でもそうだとばかり思っていたのですが…意外な発見でした。

北斗星

 昔はこうして旅をしながら絵を描くのが純粋に楽しかったものです。
 今では締切に追われて…なんて言うと無粋なようですが、でもこうして絵を生業にさせて頂けるのは本当に有難い事です。
 いささか「風が吹けば桶屋~」的ですが、私が絵描きになれたのも「北斗星」のおかげなのかな?と、今でも真面目にそう思っています。

北斗星

 パブタイムの食堂車。
 いつものようにビーフカレーを頂きながら、ファイターズの戦況をケータイでチラッと覘くと9回逆転負けの大ピンチ!
 思わず手を止め見入ってしまいました(お行儀悪いですネ…)。
 結局、郡山に着くと同時に辛くも逃げ切り試合終了♪
 せっかく勝ったのでケーキセットも追加してしまいました(笑)。

北斗星

 3週間前に乗った時より随分朝が遅くなってきたようです。
 青森の信号場ではまだ真っ暗。津軽海峡に向かう手前でようやく少し白み始めました。

北斗星

 青函トンネルを抜けると雨模様。
 海も少々荒れていました。

 「世界最長の青函トンネルを抜けて、津軽海峡を渡り、北の都札幌に向けて北の大地を駆け抜けております…」
 6時25分、函館手前で朝一番の車内放送。
 いつもこういう個性的なアナウンスで楽しませて下さる函館の車掌さんですが、今日の方は特に饒舌だったようです。
 7分の遅れとこの先の到着予定、函館での乗換案内などひと通り丁寧に説明した後、最後は「札幌まで4時間40分余、このような北海道の風景を車窓に楽しみながら北斗星の旅をお続け下さい」と締め括られました。

北斗星

 久しぶりにお目に掛かった札幌のアテンダントさん。
 実は以前お会いした時、仕事に関わるひとつの「夢」を伺っていたのですが、今夏、その夢を実現することができたと嬉しそうに教えて下さいました。
 伺えば前夜の「カシオペア」で札幌に戻る予定が、運休の影響でこの列車に変更になられたとか。
 でも、おかげで良いお話を伺えたのですから…なんて言ったら叱られそうですね。

 「上野から16時間10分、距離にして1,200キロの長旅、お疲れ様でした…」
 最後まで気の利いた車掌さんのアナウンスに送られて、11時15分、定刻通り札幌到着です。


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#314
2008.8.23
北斗星(上り)
札幌→上野
(B下)

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北斗星食堂車の伝統

 夏休みシーズン終盤、今日も満席の「北斗星」。
 売り切れないうちにとシャワーカードを買いに行った発車間際の食堂車でこんな光景に出会えました。
 出発の時、並んでホームにお辞儀をするアテンダントさん。
 食堂車ならではの、こういう美しい伝統が脈々と受け継がれているのを見るとちょっと嬉しくなります。
 列車がホームを離れ、アテンダントさん達が持ち場に戻るまで。
 乗客とはいえ、この時間だけはお声を掛けるのは遠慮させて頂きたいな…と、デッキ越しに少し遠巻きに眺めていた次第です。
 そういえば、こんな姿に憧れて入社したというアテンダントさんもおられましたっけ。



北斗星

 いつものように函館発後、22時頃になってパブタイムの食堂車に行ってみると既に8人待ち!
 顔なじみのアテンダントさんに「多分無理だと思いますよ…」と言われながらも一応ロビーで待ってはみたものの、結局オーダーストップの22時半になっても席は空かず夕食は断念。
 一応、「非常食」は持参しているので空腹はどうにか凌げるのですが…。

 ならば気分を変えて最後尾、1号車のデッキに行って流れ去る青函トンネルでも眺めてみるとしましょうか。
 
 23時39分、トンネル進入。
 22時51分、北海道側・吉岡海底駅通過。
 「新幹線のレールはもう敷かれているのかなぁ?」と足元を覗き込んでみたのですが、暗くてよく分かりませんでした。

北斗星

 青函トンネルが枝分かれ!?
 吉岡海底駅を過ぎるとすぐ右手…進行方向で言うなら左手に線路が分岐して延びていくのが一瞬見て取れました。
 作業用の「側線」があると噂には訊いていたのですが、こんなところにあったんですね!
 一体どこまで延びているんでしょうね?

北斗星

 22時56分、最深部通過!
 緑のあかりが道県境です。

北斗星

 吉岡海底駅から最深部までは約5分。
 ならば青森側・竜飛海底駅までもそれ位かな?と思って待っていたのですがなかなか現れません。
 結局23時05分、予想よりも倍近く掛かってようやく通過!
 登り坂になってスピードが落ちるのか、それとも実は距離が違うのか…後で調べてみようと思います。

 少なくとも300回以上は通過している筈なのに、こうしてじっくり眺めてみたのは初めてだったかも知れません。
 またいつでも来れるから…と思うとつい観察眼が鈍ってしまっていけませんね。
 ともかく今回は怪我の功名とでも言いましょうか?夕食を逃したおかげで良い観察ができました。
 後で絵を描く時、大いに参考になりそうです。

北斗星

 翌朝こそは逃がさないようにと少し早めに食堂車へ。
 でもあまり早過ぎても寝起きの胃には重たいので…敢えて6時半のオープンの後、テーブルが全て埋まった頃を見計らって並びに行ったら、うまい具合にオーダーストップ30分前、7時半頃になって席に着くことができました。
 ほぼ計算通りです(笑)。

 今回も洋食(パン・スープセット)をチョイス。
 最近このスープがお気に入りです。
 いつもはロールパンと胚芽パン(と言うんでしたっけ?)が1個ずつですが、なぜか今回は胚芽パンが2個出てきました。

北斗星

 朝の関東は時折激しい雨模様。
 途中で足止めされるんじゃないかと心配でしたが、どうにか無事に辿り着けました。
 天気予報によるとまだしばらくは不安定な状態が続くとか。
 帰りの便が運休にならないことを祈るばかりです。


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#313
2008.8.6
北斗星(下り)
郡山→札幌
(B下)

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北斗星復路は郡山から

 米沢からの復路、山形線で福島へ。
 ここからでも「北斗星」には乗れるのですが、パブタイムに間に合うようにと一旦郡山まで出る事に。
 新幹線との乗り継ぎで降りた事はあるものの改札を出るのは多分初めての事。
 近代的な新幹線駅と昔懐かしい汽車駅が入り混じったような、なかなか趣のある駅でした。



北斗星

 車内改札を済ませてから食堂車に行ってみたものの既に満席!
 あと数組並んでいるので間に合うか分からないとの事でしたが、オーダーストップのギリギリ数分前、福島到着の直前になってどうにか座ることができました。
 やっぱり乗ったからには食堂車も利用させて頂かないと。
 郡山で軽く食事を済ませてしまったので今夜はドリンクだけなんですが…。

 ところでこの「北斗星」のコースター、何度も乗っている割には意外と手元に残っていないのです。
 いつもパブタイムには冷たい飲み物を頼まないからでしょうか?
 せっかくなので記念に頂いて帰るとします。。。

北斗星

 ロビーカーで外国人風の方が何やらお困りの様子。
 思わず「May I help you?」とお声を掛けてしまいました。
 勿論英語は喋れないのですが…(汗)
 ともかく雰囲気から察するに「食堂車の朝食は予約しないとダメなの?」と訊いているようなので、「朝は予約不要、6時半から10時までに食堂車に行けばOK!」と答えると納得してくれたようです(多分…)。
 後で伺えば台湾からの一人旅の学生さんだったとか。
 台湾には恐らくこういう寝台列車は無いでしょうから、ぜひとも良い想い出を沢山持ち帰って頂きたいものです。

 気がつけば深夜0時40分過ぎ。もう一ノ関まで来てしまいました。

北斗星

 鏡に刻まれた時計台のイラストと、壁に浮き上がる流れ星がお洒落なロビーカーの洗面台。
 よく見るとこのこの流れ星、函館~札幌間を牽く機関車のボディに描かれているものと同じデザインのようです。
 かつては編成毎、所属会社毎に独自のデザインを競い合った「北斗星」ですが、中でもJR北海道持ちの「北斗星1・2号」には、こういうちょっとした遊び心が随所に溢れていた気がします。
 今となっては「北斗星」全盛期のささやかな面影です。

北斗星

 5号車「ソロ」の乗務員室。これも旧「北斗星1・2号」の客車です。
 普通ならペンキ書きで済ませてしまうような「乗務員室」の文字が、手の込んだガラスの浮き彫りになっていました。
 恐らく当時の設計陣が、昭和63年の秋に一度だけ日本にやってきた「オリエント急行」の内装を見て刺激を受けたのでしょう。
 ガラス彫刻の多用、細部にまで拘った温かな照明、天然木の質感を活かした食堂車、青い車体を飾る金色のトリミングライン…。
 かの汽車の来日以降、「北斗星1・2号」の内外装が大きく変貌を遂げたのは知る人ぞ知る事実です。

北斗星

 「定刻通り運転しています」と函館手前で朝一番の車内放送。
 岩手北部地震の影響はもう殆ど無くなったようです。

 モーニングタイムの食堂車は今日も大混雑!
 6時半にオープンするやすぐに満席、ロビーカーにも待ち客が溢れ「只今、大変混雑しております…」とのアナウンス。
 でも8時50分頃、洞爺の手前で覘いてみたらすぐに座れましたから、やっぱり遅めに行くのが正解のようです。

 昨晩の台湾の方、ちゃんと伝わっていたかなぁ…?とちょっと心配だったのですが、私が行った時には既にテーブルに就いておられたので大丈夫だったようです。
 やれやれ。

北斗星

 見事な夏空。
 札幌も降りたら暑そうです。

福島駅

 ところで昨晩、福島駅の改札付近の壁で見つけたこの照明。
 今はなき旧「北斗星1・2号」のあの「赤いテーブルランプの食堂車」の壁にあったものと何となく似ているような…
 というか、大きさ・形・光跡…どれを取っても私には同じものにしか見えないのですが!?

 残念ながらもはや確かめる術もありませんが…。
 会社こそ違えど同じJRグループ。
 同じ業者から納品された可能性も無きにしもあらず…と思うのですが、さて?


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#312
2008.8.4
北斗星(上り)
札幌→上野
(B下)

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北斗星一期一会、最後の乗務

 20年前、開業当初から乗り続けてこられたというベテランのコックさんはこの便が最後の「北斗星」乗務とか。
 厨房の奥におられるコックさんとは直接お目にかかる機会はそう多くなかったものの、きっと私も数え切れない位お世話になってきたはずです。
 偶然ながら最後の便に乗り合わせて、一言御礼を申し上げる機会が得られたのは幸いでした。
 勿論、乗務員さんと一介の乗客では立場は違いますが、乗り続けた年数でいえば私も車中ではそろそろ古株。
 それだけに、今までこの汽車に携わられた沢山の方々の想い出をしっかり伝えていかねばと感じている次第です。



北斗星

 1往復運行になって初めての夏休みシーズン。
 とにかく切符が全く取れず随分苦労させられましたが、それでも直前になってキャンセルが出てB寝台・禁煙下段が往復とも取れたのはラッキーでした。
 案の定、車内もいつも以上の賑わい様。
 見たところ圧倒的に親子連れの方が多いようで、乗ったらまずは車内探検!カメラ片手に右往左往される姿が至るところにありました。
 食堂車もシャワーカードを求める方々で出発早々長蛇の列!
 これほどの混雑も久しく見ていない気がします。

北斗星

 寝台のカーテンを開いて覘いた夕暮れの空と海。
 パステルで描いたような柔らかな色彩が印象的でした。
 もうすぐ伊達紋別です。

北斗星

 1号車のB寝台は「Bコンパート」と呼ばれる簡易個室タイプ。
 1区画を4人グループで使う時に限って仕切扉を閉めて個室にもできる仕組みです。
 もっとも普段は扉を閉めた区画はそれほど多くは見られないものですが、さすがに夏休みシーズンとあって今日は半分近くの扉が閉じていたようです。
 確かに家族連れや仲間と一緒なら、1人用・2人用の個室よりも、向かい合わせの2段ベッドの方が話も弾んで楽しそうですね。
 いつも一人旅の私にはあまり関係のない事ですが…。

北斗星

 シャワーが故障!?
 いつものように食堂車で買ったシャワーカードを入口のカードリーダーに挿し込んだところ無反応。
 入れたカードも戻ってこなくなってしまいました。
 慌てて今脱いだばかりの服を着直して食堂車へ。
 アテンダントさんに事情を話して見て頂いたのですがすぐには原因は分からず、車掌さんから借りてきたマスターキーでカードリーダーの蓋を開けると、中から2枚のカードが重なって出てきました。
 どうやら先客の使用済みカードが詰まっていたようです。
 こういう事もあるんですね~。

 教訓…「シャワー営業中です」のランプが点いていなかったら、まずは車掌さんかアテンダントさんに連絡すること。
 またひとつ勉強になりました。

北斗星

 パブタイムの食堂車。
 カメラを持ったお客さんを見るや男性のアテンダントさんが「シャッター押しましょうか?」と各テーブルを回り始めました。
 お決まりのハイチーズではなく「良い顔、良い顔、エヘヘヘヘ~♪」と、独特のフレーズでカメラを構えるアテンダントさんにお客さんも大喜び。
 いかにも夏休みらしい気の利いたサービスです。

北斗星

 たまたまでしょうが御飯がスマイルでした(^_^)

北斗星

 7/24の岩手北部地震による徐行運転が続いているとかで、朝起きてみると30分ほどの遅れとなっていました。 
 朝のロビーで一人旅の高校生の方から声を掛けて頂きました。
 今年の3/14、「北斗星」乗車300回を紹介して頂いた新聞記事を御覧になったそうです。
 アルバイトで旅費を貯めて初めての「北斗星」、乗車前から随分楽しみにされていたようです。
 振り返れば私が初めて乗ったのも彼の年齢に近い頃で、その後の恐らく百数十回にも及んだ北海道通いも、イラストレーターへの転身も、意を決しての札幌移住も元を辿れば全てあの最初の旅から繋がっていたのだと思えば、若い彼にもこの旅を通じて、未来に繋がる貴重な想い出を沢山持ち帰って欲しいと願わずにはいられません。

北斗星

 7時頃、食堂車に行ってみると既に20人待ち!
 8時のオーダーストップまでに案内できるか分からないとの事でしたが、幸い40分ほど待ったところで席が空き、高校生の彼と一緒にテーブルに着くことができました。
 奇しくも今日のアテンダントさんは新聞記事の3/14にもご一緒させて頂いた方でした。
 お仕事の手が空いたところで少しだけお喋りさせて頂くことができましたが、束の間の出会いを通じて列車で働く人たちの温かさ、人間味を彼にも感じてもらえたら嬉しい事です。

 途中、西那須野駅で時間調整の臨時停車。
 ホームに並ぶ通勤通学客に覗き込まれながらの食事は何とも微妙な雰囲気です(汗)。

北斗星

 10時14分、33分遅れで上野着。遅れの影響でいつもと違う15番線ホームへの到着です。
 最後の「北斗星」乗務を終えて引き揚げていくコックさんを見送りながら、改めて20年という歳月の大きさ、「北斗星」と過ごした時間の重さを私自身も噛み締める思いでした。

 この汽車と、汽車で働く人たちと、この先いつまで一緒に旅を続けられるのでしょうか…?


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#311
2008.7.21
北斗星(下り)
仙台→札幌
(B1)

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八戸青森からの長~い帰路

 青森での予定を終えて帰札の徒に。
 少し前までなら盛岡発23時32分の「北斗星1号」が便利だったですが、先のダイヤ改正で廃止されてしまって今では「北斗星」に乗るには仙台までの大移動に。
 不便な時代になったものです。
 もっとも、普通に考えれば青森発札幌行きの急行「はまなす」あたりを使えば良いところなんですが…。
 ともかく、まずは八戸18時発の「はやて28号」で南に向かうとします。




盛岡

 18時35分、盛岡でしばし途中下車。
 「北斗星1号」に乗る前には決まって頂いた大好物の盛岡冷麺も随分久しぶりです。

一ノ関

 盛岡発19時44分の「やまびこ68号」で一ノ関へ。
 特急料金1,790円也を節約しようと、この先仙台までは在来線移動です。
 それにしても20時57分が最終列車とは…。

仙台

 途中、小牛田まではワンマン運転。
 車内も閑散としていかにもローカル線の最終列車といった雰囲気でしたが、小牛田からは女性の車掌さんが乗務され、やがて仙台に近付くにつれ乗客も増えてすっかり大都市近郊の通勤電車と化してしまいました。
 スーツ姿の酔客が目立つあたりも都会的でしょうか?
 やがて仙台到着は22時32分。
 八戸から4時間半…と言うか、実はその前、弘前からの特急列車も含めるとトータル6時間半の大移動!
 でも「青春18きっぷ」などで旅を重ねた若い頃をちょっと思い出したりして、それなりに楽しい道中でした。
 「北斗星」到着まであと1時間の辛抱です。。。

北斗星

 23時30分、小雨の中、2分ほど遅れてようやく「北斗星」が現れた時はさすがにホッとしました。
 今日はいつもと色違いの珍しい機関車。
 何となく得した気分です(笑)。

北斗星

 「北斗星」と訊けば何でも贔屓目に見てしまう私ですが、今宵の9号車、B個室「ソロ」だけは正直ちょっと「?」です。
 見事なまでに動線を無視した設計…とでも言いましょうか?
 まず悩むのは枕の向き。
 恐らくは読書灯のある通路側を枕にして横になるのが正解なんでしょうが、そうすると室内灯、エアコン等々のスイッチには全く手が届かない。
 かと言って窓側を枕にして読書灯が足元を照らすのも変ですし。
 荷物置き台が暖房吹出し口の真上なので熱に弱いものはまず置けない。
 普通に座ると低過ぎて、かがみこむようにしないと外が見えない窓はまぁ我慢するとして、極めつけはコート掛けに上着を掛けると、ドアノブも、スイッチ類も、暖房吹出し口も全て塞がれてしまう上、少し丈の長い上着なら裾が床についてしまうという実に不思議なレイアウト。
 往路で乗った5号車「ソロ」が実によく出来ているだけについ辛口になってしまいますが…でも敢えて擁護するならば、これがJRで初めて設計された1人用B個室。
 ともかく通常のB寝台と同じ料金で、必要な設備を全て盛り込んだ個室を提供するだけでも当時としては充分過ぎる程のサービスだったのでしょう。
 まぁ、これも「北斗星」の歴史の一頁、と思って有難く利用させて頂くとしましょう。

北斗星

 未明の青森、蟹田駅。
 雨が激しく降り続いていました。
 出発前から気になっていた台風はどうにか免れたようです。

北斗星

 「広大な北海道の風景を車窓からどうぞお楽しみ下さい」と、6時20分、函館手前で朝一番の車内放送。
 確か前回の下り列車では「定刻通り北の大地を駆け抜けております」だったでしょうか?
 函館の車掌さんの実に気の利いたアナウンスです。

 昨晩の疲れもあって二度寝、三度寝…9時頃になってようやく起き出し食堂車に行ってみるとまだ満席。
 20分ほどロビーで待ってようやく朝食のテーブルにつけました。
 洋食のセットをオーダー。
 私の勘違いかも知れませんが、時節柄、パンが前回よりも若干小さくなったような気もしたのですが実際のところどうなんでしょう?
 それでも卵、魚、ソーセージ、サラダ、スープにパンが2個、ジュースに食後のコーヒーと、相変わらずのボリュームで大満足です。

北斗星

 心配していた台風の影響もなく、無事札幌に辿り着くことができた今回の旅。
 でも翌22日発の下り列車は函館・道南の集中豪雨でダイヤ大混乱、札幌駅まで様子見に行ってみたら姿を現したのは午後3時前、実に3時間半の大幅遅延でした。
 顔馴染みの乗務員さんに訊けば函館駅では「カシオペア」と「北斗星」が並んで立往生、という珍しいシーンも見られたとか。
 やっぱりもう1日遅らせれば良かったかな?(笑)。
 慌しく折り返し作業が進む列車を眺めながらホームを歩いていると、遅れの混乱で…というわけでもないでしょうが、途中1両だけ妙な行先表示が出ていました。


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【寝台】 A1:1人A個室ロイヤル A2:2人A個室ツインDX B1:1人B個室ソロ B2:2人B個室デュエット B上:B寝台上段 B下:B寝台下段

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