北斗星乗車記・乗車記録(#396~#400) Boarding record and Travel diary of Hokutosei
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#400 |
2012.3/13 北斗星(下り) 上野→札幌 (B1) ▼Next ▲Prev ■Menu |
祝!「北斗星」24周年 在京時代お世話になっていた旅行センターのあった場所が、いつのまにかカフェに変わっていました。 この駅のすぐ近くの職場に勤めていた頃から、会社を辞めて独立して、いよいよ札幌に移住する最後の下り列車の切符まで、「北斗星」だけでも恐らく200回近くはそのお店で手配して頂いたと思います。 お店そのものはすっかり変わってしまったものの、窓辺の席に座ってみると、当時の面影そのままの懐かしい駅構内の風景。 まさに節目の日の旅立ち前には格好のシチュエーションとなりました。 今日、3月13日は「北斗星」開業24周年の記念日、そして個人的にはちょうど400回目の「北斗星」乗車です。 今夜もやはり低気圧の動きが気になりましたが、幸い影響もなく19時03分、定刻通りの上野出発。 節目の便だからといって特に何かがあるわけでもなく、いつも通りの静かな旅が淡々と続きます。 それよりも私にとっては今月17日・ダイヤ改正前最後の「北斗星」乗車。 特に今回は本州側での編成の向きが逆転するという大きな変化が控えていますから、もう見ることのできなくなってしまう風景を最後にしっかり見届けておかねばと、そちらのほうばかりが気になってしまいます。 向きが変わるということは、寝台が「山側」から「海側」に移るということですから、個室の窓から見える風景もまるで違うものになってしまいます。 21時53分、ほぼ同時に郡山駅を発車する磐越西線の電車との併走シーンも、こうして眺められるのはこれが最後になりそうです。 今夜は大きなカメラや三脚を携えた方々が大勢乗られていました。 何か列車の写真を撮られる熱心なファンの方々が大勢集まるような被写体があるのでしょうか? やっぱりダイヤ改正前、函館から青森あたりに戻って廃止間際の寝台特急「日本海」などを撮りに行かれるのかな?と勝手に想像していたのですが…。 郡山を過ぎてからパブタイムの食堂車に行くと、注文を取りに来られたアテンダントさんが「今回で何回目になったんですか?」。 ちょうど400回目だと答えると「記念すべき日に乗務できて光栄です」と笑って戻って行かれました。 そういえば往路の上り列車でも別の方に「そろそろ400回ですか?」と訊ねられましたが、どこからかそういう噂が広がっていたのでしょうか? 仙台手前で車窓に見える「電波塔」のライトアップ。 見えると言っても並行する新幹線橋脚の隙間からどうにか垣間見えるという感じですが、ほんの一瞬、在来線の高架の高さが新幹線とほぼ同レベルに上がる区間があって、特にソロ上段に乗った時など、その瞬間だけは遮るものなく綺麗に見ることができます。 「あっ!」と気付いてカメラを出す頃にはもう見えなくなってしまう位、本当に一瞬の風景です。 何気ないスナップのようですが、これとて個室のあかりを全部消して、しばらく前からカメラを持って待ち構えてようやく撮ることができた一枚。 この風景も編成の向きが逆になったら見ることは難しくなってしまいます。 深夜0時40分頃、一ノ関駅に停車中。 今では運転士さんの交代だけで乗客の乗り降りはできませんが、ちょうど4年前、平成20年3月のダイヤ改正までは、ここから今はなき下り「北斗星1号」に乗ることができて、私も東北旅行の帰路にしばしば利用させて頂いていました。 昔懐かしい「汽車駅」を感じさせる改札口付近の雰囲気が特に印象的な駅です。 ちょうど5号車「ソロ」に乗ると改札口のあたりに停まることが多いので、この風景が深夜のちょっとした楽しみでもあったのですが、やはりこうして眺められるのも今回限りになりそうです。 いよいよ最後の青森信号場での機関車交換。 次回乗る時にはこの作業は信号場ではなく、青森駅構内で行われることになります。 大勢のファンの方が写真を撮りに来られるかと思ったのですが、意外にも今夜見届けたのは私一人でした。 この公衆電話も今月限りで終了との事。 ちなみに「カシオペア」や道内列車も含めて、JR北海道管内の車内公衆電話サービスはこれで完全終了となるそうです。 昔はよく観光客の方が「青函トンネルに入ったら家族に電話するんだ!」と待ち構えていて、いざトンネルに入ってみたら電波が通じずガッカリ…なんて光景が見られたものですが、今では公衆電話よりも、携帯電話の充電ができるコンセントを探して車内を右往左往…の時代。 こんなところにも「北斗星」が走り続けてきた24年の時間の大きさを感じてしまいます。 朝5時45分、青函トンネルを抜ける頃にはすっかり夜も明けていました。 しばらく厚い雪雲が空を覆っていましたが、函館山が見えるあたりでようやく朝陽が覗き始めました。 6時28分、「只今、2分ほど遅れて運転しております…」と朝一番の車内放送。 私にしては…というか、ここ最近にしては珍しい位の順調な道中です。 この駅で初めて人の姿を見かけました!(笑) 後続特急「スーパー北斗1号」通過待ちの落部駅で、普段まず見ることのない人影に気付いて何事かと覗き込むと、どうやら幼いお子さんを連れた近所のお母さんが列車を見に来られていたようでした。 そのまま絵に描かせて頂きたいような微笑ましい光景でした。 列車が動き出した時、坊やの方に手を振ってみたのですが、気付いてくれたでしょうか? 長万部を出たところで、ラッセル機関車が陽光の中に佇んでいました。 雪景色とはいえ春を感じさせる穏やかな風景です。 いつものように9時過ぎ、伊達紋別の手前あたりで朝食の食堂車へ。 このあたりになると先客は大抵1~2組程度、ゆったりと食事を楽しませて頂けるお気に入りの時間帯です。 車窓に白鳥大橋が近付く東室蘭手前、大きな製油所の構内では小豆色の小さな機関車がタンク貨車の入換作業をしていました。 一部ではこの製油所でも鉄道輸送からの撤退、あるいは製油所自体の閉鎖といった報道も流れていたようですが、果たしてどうなるのでしょう? 見慣れたこの風景も過去のものになってしまうのでしょうか? 洞爺~伊達紋別あたりで席に着くと、ゆっくり食事を頂いて、食後の紅茶が出てくるのは登別に着く前くらいです。 洞爺手前で一瞬雲が出ましたが、その後はここまで良く晴れた気持ちの良い朝の風景が続いています。 節目と言っても特別な事をするつもりはなかったのですが…。 せっかくなので、いつからかずっと財布に入ったまま、何となく使えずに持っていたこの2千円札で何か記念になるものを買っていこうかと思います(笑)。 迷った末に選んだのがこのタイクリップ。 割と最近になって置かれるようになった商品だったと思います。 職業柄、ネクタイをする機会はまず無いのですが(笑)、それだけに、特別な日でもなければなかなか買おうとは思わない一品。 今回の節目の記念にはまさにピッタリかも知れませんね。 私にしては珍しくほぼ定刻、正確には4分ほどの遅延で札幌駅に着くと、ホームには「札幌LRTの会」の先輩方が花束を持って待ち構えていました。 数日前、「何号車にお乗りですか?」とメールが届いていたのでそんな予感はしていたのですが(笑)、わざわざサプライズを企てて下さったお心遣いは本当に有難い限りです。 乗車400回目…と言っても所詮はあくまで個人的な節目。 本当は回数とか、記録云々というような思いは全く持ち合わせてはいないのですが、一回一回の旅を通じて得られた「北斗星」との様々な御縁、印象に残る沢山の風景や出会いが、私の創作活動の上で、また私生活の中でも本当に大きな財産になっていることを思えば、それなりに意義のある旅の積み重ねだったのかな?という気がしています。 これからは、そんな「北斗星」との想い出を、作品としてもっと沢山描き残していかなければなりませんね。 実は札幌到着後にもう一つ、「北斗星」絡みでちょっと嬉しい事があったのですが、その話はこの列車がなくなる日まで私の胸の内に仕舞っておこうと思います。 ともかく、この列車に乗り続けてきて本当に良かったと心の底から思えるような、この日の札幌駅での出来事でした。 「400回ってお祝いなのかぃ?」と怪訝な顔をしながらも、妻がケーキを買ってきてくれました♪ もし「北斗星」に乗り続けていなかったら、会社を辞めて絵描きになることも、札幌に移住することも、妻と出会うこともまず無かっただろうと思います。 改めて、「北斗星」が繋いでくれた沢山の御縁に感謝です! ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
#399 |
2012.3/11 北斗星(上り) 札幌→上野 (B1) ▼Next ▲Prev ■Menu |
あれから一年…。 実は1年前の3月11日、あの震災の日の上り「北斗星」には私の大切な友人が乗務するはずでした。 差し障りがあるといけないので所属・職種は差し控えますが、次の乗務先ではとても楽しみな事があるんだと、前日、ちょうど札幌市内で開催中だった私の個展を訪ねてきて嬉しそうに話してくれたのを覚えています。 結局、その後2ヶ月以上に及んだ運休期間中に友人は職場を移ることになり、再び「北斗星」に乗ることは叶いませんでした。 なので、あの被災地の惨状と共に、私の中では心ならずも列車を離れた友人の無念がずっと棘のように胸の内に残っていました。 あれから一年…。 友人の代わりに…というわけではありませんが、あの時出発できなかった「3月11日発の上り列車」に乗って行くことが、私にとってはある意味、ひとつのケジメのような気がしています。 明朝、車窓から被災地に手を合わせてこようと思います。 すっかり日も長くなってきました。 JRタワーの向こうに沈む夕陽に見送られて、ほぼ定刻通り札幌を発車しました。 今回も寒波襲来、荒天の予報で少々心配したのですが、幸い数分程度の遅延で順調に走り続けています。 しかし伊達紋別で行き違うはずの下り特急「北斗17号」が結局現れなかったので、場所によってはもしかしたら結構乱れているのかも知れません。 洞爺を過ぎると6号車ロビーカーでオレンジカード・記念グッズの販売が始まりました。 既報の通り、3月末で終了してしまう札幌車掌所によるオレンジカード販売。 東京滞在中の切符代にとしばしば購入させて頂いたのですが、こうして車内で買わせて頂けるのもいよいよこれが最後です。 いつもは車窓から見える五稜郭タワー、函館山のあかりが今夜は見えませんでした。 たまたま雪に隠れていたのか、それとも追悼の為に消されていたのでしょうか? 函館到着はほぼ定刻、ホームには湿った雪が降り続いていました。 深夜0時過ぎ、ほぼいつも通りの時刻に青森信号場に到着。 今月17日のダイヤ改正以降は、これまでここで行われていた機関車交換作業が青森駅に変更になり、それに伴い本州内での編成の向きも逆転することになります。 上り列車では青森から先、業務用の電源車が最後尾に来ることになるので、こうして1号車・最後尾デッキから車窓を眺めることもできなくなってしまいます。 今後の創作の参考の為にも、最後にもう一度、しっかりこの窓からの風景を見ておきたいと思います。 ポストカード販売等でお世話になった廃線間近の十和田観光電鉄・三沢駅と、妻の実家がある八戸駅の通過は見届けておきたかったのですが、舞い散る雪に阻まれて写真はこれが精一杯でした。 下り「北斗星」とのすれ違いもこれが最後のシャッターチャンス。 息を殺して待ち構えていたのですが、やはり雪に阻まれて、よく分からないうちに走り去っていってしまいました。 真夜中3時、先月に続いて今回も日詰駅に一旦停車しました。 何か長期に亘る施設工事などが行われているのでしょうか? 日詰を出たところで、そろそろ少しだけ仮眠しておくことにします。 まだ夜も明けぬ早朝5時前、松島湾が近付くあたりで車窓に手を合わせました。 この付近、東北本線では数少ない津波による被災箇所です。 仙台を出てすぐの長町~太子堂間、車窓に仮設住宅が並んでいます。 軒先の明かりに生活感が感じられ、尚更胸が痛む風景です。 有名な船岡、白石川堤の「一目千本桜」。 こうして最後尾デッキから眺めるのが密かな楽しみだったのですが、残念ながら満開の花をここから見ることはもうできません。 東白石駅通過。 この白石川沿いの風景も大好きな眺めでした。 福島に着く少し前、雪雲の隙間から朝陽が差し込んできました。 福島到着6時13分、今朝は約15分ほどの遅延です。 いつもはもっと遅めの時間に行くことにしているのですが、今朝は6時半、営業開始のアナウンスと同時に食堂車の席に着きました。 今回は列車自体が割と空いていたようで、食堂車も4人掛けテーブルは全て空席、2人掛けテーブルだけが全て埋まっている程度でした。 「洋食ですね!」「スミマセン和食で…」「食後はコーヒー?」「ミルクティー…」 席に着く前から決めていた注文ですが、顔なじみの男性アテンダントさんが気を利かせて言い当ててくれたものを全て否定してしまったようで、ちょっと申し訳ないような気がしました。 県境の高い鉄橋を渡って栃木県に入ると、まだ新しい補修痕が随所に見られました。 山間部を抜け黒磯を過ぎるとすっかり春の風景です。 こういう構図で新幹線との交差を見るのも難しくなりそうです。 尾久を過ぎて終点・上野に着く直前、今となっては懐かしい緑色の新幹線が横を追い抜いていきました。 この窓から眺める最後の(?)新幹線にふさわしい、一瞬、昭和に戻ったような束の間の遭遇でした。 20分ほどの遅延で上野到着。 年明け以降、上下合わせて8回乗って、定時に着けたのがまだ一度しかないのですから今冬の気象条件の厳しさを改めて感じさせられます。 そういえば私のことを「遅延王子」と名付けたのも他ならぬ件の友人でした。 今回もまた遅れたと知ったらきっと笑って喜んでくれそうな気がします。 13番線ホームに降りると「食堂車終日禁煙」の大きなポスターが貼られていました。 「北斗星」開業24年、何より大きく変わったもののひとつが世間をとりまく喫煙事情かも知れません。 私も含めてタバコが苦手な向きにとっては、ちょっと大袈裟に言えば「四半世紀越しの悲願達成!」といったところでしょうか? ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
#398 |
2012.2/25 北斗星(上り) 札幌→上野 (B1) ▼Next ▲Prev ■Menu |
最後の「越前・若狭ゾーン周遊きっぷ」 福井県内ほぼ全域のJR線と、えちぜん鉄道の一部区間まで乗り放題の「越前・若狭ゾーン周遊きっぷ」。 ここ数年、福井取材の行き帰りなどでも随分重宝していたのですが、残念ながら今年3月いっぱいでの廃止が決まってしまいました。 かつての「ワイド・ミニ周遊券」が「周遊きっぷ」にリニューアルされて既に10年以上。 当初はその使い勝手などに賛否両論あったようですが、フリー区間までの「ゆき・かえり券」の経路が自由に設定できることや、「ゾーン券」の程よい有効日数など、個人的には大歓迎!の実に有難い商品でした。 もしかしたら、私のような「周遊きっぷ」頼みの旅行スタイルそのものが時代遅れになってしまったのかも知れませんね。 今回もまた「北斗星」利用・東京経由での福井取材、この切符のお世話になるのもいよいよこれが最後です。 なくなると言えば、札幌車掌所によるオレンジカード販売も3月末で終わってしまうそうです。 定番の乗車記念グッズとして開業当初から親しまれてきたものですが、今では巷はICカード全盛…やはりこれも時代の流れなんですね。 いつものように2枚セット・オリジナル台紙付きで2千円也。 今日は珍しく「カシオペア」のカードがセットに含まれていました。 今冬は毎週のように寒波・豪雪に襲われて、「北斗星」も含めて夜行列車は運休・大遅延が続出…。 私も毎度乗るたびに何かしら影響を被っている気がします。 今夜もまた荒天予報、それも太平洋側のほうで大雪に要警戒との事でしたが、若干遅れを出しながらも函館までは何とか無事に辿り着くことができました。 ホームに降りてみると風も強く、車両基地の照明塔も霞むほどの激しい吹雪。 この先の道中がちょっと心配になります。 ロビーカーで寛いでいたら突如、非常通報ブザーのけたたましい警報音が鳴り響きました。 見ると同じ6号車のB個室「ソロ」の1室で、異常を伝えるドア横のランプが点いています。 ドアをノックしてみても応答がありません。 折悪くちょうど蟹田駅到着間際、車掌さんは乗務交代の為、既に遠く離れた11号車付近に行ってしまわれています。 ともかく蟹田に着いたところですぐに11号車に走って、いま乗り込まれたばかりのJR東日本の車掌さんを呼んで駆け戻ってきました。 後の事はプロに任せて、私はお邪魔にならないよう遠巻きに見守っていたのですが、訊けばお客さんが急に体調を崩されたそうで、直ちに救急搬送の手配を取られたそうです。 0時13分、奥内という小さな駅(無人駅だったでしょうか?)に臨時停車。 吹雪で道路事情も悪かったのか、ようやく救急車の赤い光が見えたのは0時半を過ぎた頃でした。 その間、担架やストレッチャーがすぐにホームから列車に入れるよう、食堂車のベテラン乗務員さんが黙々と雪かきをされていたのが印象的でした。 思わぬ形で関わってしまって私も少々動揺してしまいましたが… ともかく、降りられた患者さんの快復を心の中で只々祈るばかりです。 青森信号場には50分ほど遅れて0時50分過ぎの到着。 直ちに機関車交換が行われたものの、その後一向に動き出す気配がありません。 そのうちに隣に貨物列車が2本ほどやってきて、やはりピタリと停まったまま動かなくなってしまいました。 気になってデッキの窓から様子を窺っていると、通り掛かった車掌さんが「スミマセン、この先の野辺地で列車が雪に突っ込んでしまったのでしばらく動かないですよ…」と教えてくれました。 1時50分、ようやく運転再開。 貨物列車を隣に残してゆっくりと動き出しました。 …と、安堵したのも束の間、ひと駅先の東青森まで来たところでまたすぐに停まってしまいました。 奥羽本線~津軽海峡線の列車の為に信号場の線路を明け渡したのか?それとも旅客列車をホームのない信号場に停めておくのを避けたかったのか? さすがに深夜2時では状況説明の車内放送もありませんが、どうやら長期戦になりそうな雰囲気です。 普段は短編成の普通列車しか停まらない東青森駅のホーム。 末端部分はあまり除雪もされていないようで、私の部屋の窓の向こうもすっかり雪壁に閉ざされてしまっています。 「おはようございます。只今、東青森という駅に停まっております…」 朝6時、ようやく流れた車内放送はちょっと絶望的な状況を伝えていました。 この先約40km、野辺地駅付近で大雪の為、昨晩11時頃から列車が立ち往生し再開のメドが経っていないこと。 そして当列車はここ東青森で運転を打ち切って、お客様には東北新幹線に乗り換えて頂くこと。 新幹線の始発駅、新青森までは代行バスが用意されること…等々。 この先、東京から福井に向かう東海道新幹線~在来線特急の接続などを考えると少々深刻な事態ですが、それでも、これがもし蟹田とか、もっと北海道寄りの方での立ち往生だったら東北新幹線に乗り換えることすら出来なかったかも知れません。 ともかくこれほどの悪天候の下、ここまで来れて先に進めるというだけでも感謝しないといけませんね。 7時半過ぎにバスに乗って、30分ほどで新青森駅が見えてきました。 土地勘がないのでどういうルートを辿ったのかはよく分かりませんが、つい先月寄らせて頂いたばかりの「青森まちなかおんせん」が車窓に見えたので、どうやら青森駅のすぐ近くを通っていたようです。 それにしても街の中は大変な積雪、札幌と比べてもちょっとビックリする位です。 さすがにこれでは運転打切りも仕方ありませんね。 新青森発8時28分、「はやて18号」の指定席が乗客全員に用意されていました。 全車指定席の列車なので当然といえば当然ですが、それにしても直前になってよく人数分確保できたものです。 そういえば後で気づいたのですが、「北斗星」は上野行きなのに指定席は終点・東京まで用意して下さっていたんですね。 私も含めて更に先の乗換え予定のある乗客もいるわけですから、杓子定規に上野までの振替に留めなかったJRさんの配慮?にちょっとだけ感謝です♪ 東京には12時08分の到着予定。 その後の乗り継ぎを調べ直してみると、福井には16時01分、当初予定より2時間ほどの遅れで何とか辿り着けそうです。 ひと晩分の遅延をここまで挽回してしまえるのですから、改めて新幹線の俊足ぶりを思い知らされた気がします。 八戸に着いた時、ふと見ると在来線ホームには下り「北斗星」の姿がありました。 あちらもここで運転打切りだったのでしょうか? 考えてみれば「北斗星」乗車398回目にして、途中打切りはこれがまだ2回目。 前回は減便・廃止を間近に控えた平成20年冬の下り「北斗星1号」で、爆弾低気圧の影響で伊達紋別打切り、バス代行で8時間近く遅れて札幌に戻った事がありました。(→08.1/23) 奇しくもあれは乗車300回目の直前。 どういうわけか「節目」の前には大きなアクシデントが起きてしまうから不思議です。 今回、復路は「北斗星」ではないので、400回目は恐らく来月、3月の上京の折の復路・下り列車になりそうです。 その前にまたひとつ、「北斗星」との深い想い出を刻み込まれたような今回のちょっと難儀な旅でした。 ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
#397 |
2012.2/17 北斗星(下り) 上野→札幌 (B1) ▼Next ▲Prev ■Menu |
今回もまた車中連泊 今回はいわゆる「夜行日帰り」。 急いで用事だけ済ませて、今夜の下り「北斗星」で札幌に戻ります。 ちょっと慌しそうですが、仕事の都合であまり長く札幌を離れたくない時など、これくらいの方が却って気軽で良い事もあります。 そういえば先月は「北斗星」4連泊、今回は2連泊…年が明けてからなぜかこういう旅程ばかり。 それも決まって5号車B個室「ソロ」で、しかも今夜はまた昨晩と同じ8号室です(笑)。 今夜も日本海側を中心に大荒れの予報、「北斗星」以外の夜行列車は軒並み運休決定です。 さすがに金曜夜の下り列車、団体さんやグループ旅行の方々などで車内は大変な賑わいでした。 ロビーでしばらく車内の様子を眺めていたのですが、10人ほどの団体さんの宴会が始まったので早々に自室に引き上げるとします。 大宮あたりで雨が雪に変わりました。 日本海側ほどではないにせよ、今夜もまた厳しい冷え込みになりそうです。 早朝4時頃、青森手前で目が覚めました。 青森といっても八戸あたり、南部地方ではさほど雪は積もらないのですが、それが津軽に入って青森、蟹田、青函トンネルあたりになると一転、まさに日本海側そのものといった豪雪地帯の様相を呈してきます。 「トワイライトエクスプレス」などと比べると雪害運休の比較的少ない「北斗星」でも、さすがにこのあたりはちょっとした難所。 そういえば先月、大雪で前に進めなくなったのもやはり津軽海峡に程近い中小国付近での事でしたね。 外が激しく吹雪いている時など、ちょっとした隙間から車内にも容赦なく雪が吹き込んできます。 先頭機関車のすぐ後ろ、1号車デッキも御覧の通りです。 中でも特に雪が溜まりやすいのが食堂車通路の業務用扉付近。 乗客用のドアとは構造が異なるためか、ちょっとした雪遊びができそうなほど積もってしまう事も珍しくありません。 最初に見た時はさすがにビックリしましたが、今となってはもうお馴染みの光景です(笑)。 6時44分、2分ほどの遅延で函館発車。 青森あたりの積雪を思えばむしろ順調すぎるほど快調に走り続けてきたのですが、大沼国定公園内、小沼の湖畔に差し掛かったところで突然動かなくなってしまいました。 ほどなく流れた車内放送によると、大雪でこの先、大沼駅構内のポイントが切り替わらなくなってしまったとの事。 結局、復旧するまで10分ほど停まっていたでしょうか? とは言え沿線屈指のビューポイントでの思わぬ臨時停車、乗り合わせた観光客の方々はむしろ大喜びだったようです。 10分ほどの遅れを出しながらも、いつものように落部駅に停車。 ところが、いつもならここで追い抜かれるはずの後続特急「スーパー北斗1号」が現れぬうちに、ほんの1分ほどで再び動き出してしまいました。 怪訝に思って列車運行情報をチェックしてみると…「スーパー北斗1号」は55分遅延との事。 だから落部では追い抜かれなかったんですね。 あるいはこれだけの時間差がついてれば、足の遅い「北斗星」でも札幌までどうにか逃げ切れるかも知れませんね。 一昨日、石勝線で貨物列車の脱線事故があったそうです。 ずっと移動の車中だったのでニュース映像などもまだ見ていないのですが、未だ運転再開には至っていないということは、どうやらかなり大きな事故だったようです。 「新得、帯広、釧路方面はバスの運転代行を行っております…」と注意を促すアナウンスが何度も流れていましたが、後々よく考えてみると、日本語としてちょっと不思議に感じたのは私だけでしょうか? 南千歳に着く直前、新千歳空港を離陸したばかりの飛行機が列車の真上を横切っていきました。 10分少々の遅延で札幌到着、思ったよりは随分順調でした。 ホームに降りると、春を思わせる大粒の湿った雪がかなり激しく降り続けていました。 改札を出ると大勢の駅員さんが代行バスの案内に追われていました。 しかしこれだけの距離をバスで移動しようとすると、どのくらい時間が掛かるものなんでしょう? 札幌から帯広、釧路方面に向かう大動脈、早く復旧してくれると良いのですが…。 ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
#396 |
2012.2/16 北斗星(上り) 札幌→上野 (B1) ▼Next ▲Prev ■Menu |
道内、寒波襲来 昨晩から道内は荒れ模様。 運休にならないかと出発間際まで心配だったのですが、幸い「北斗星」のルートにはそれほど大きな影響は無かったようです。 札幌を出る頃はまだ穏やかだったものの東室蘭あたりから本格的に吹雪き始め、伊達紋別には数分ほど遅れて19時17分到着。 ここで行き違う19時10分発、下り「北斗17号」が我が「北斗星」の到着を待ちわびているかと思いきや、向こうもやはり遅れていたらしく、ようやく暗闇にヘッドライトが見えたのは「北斗星」到着よりも少し後の事でした。 今夜は2回目のディナー予約が無かったらしく、食堂車では20時丁度にパブタイムが始まりました。 ちなみに定刻なら長万部を出たあたりですが、今日は若干遅れているので長万部到着前です。 ディナーが無い位だからパブもきっと空いているだろうと、20時からのシャワーを済ませて45分頃に出掛けてみると意外にもほぼ満席。 唯一空いていた厨房寄りの2人テーブルにどうにか座ることができました。 メニューを開くとドリンクが2品、新しく加わっていました。 カクテルでしょうか?「これはお酒です」と書き添えられた「ピーチアールグレイ」500円也と、こちらはソフトドリンクの「アールグレイティー」400円也。 下戸なのでお酒の方はともかく、アールグレイティーにはちょっと興味があったのですが、ビーフカレーの食後にはやっぱりコーヒーかな?と思って今回は断念。 覚えていたら復路にでも試してみようと思います。 函館を出てからの最後尾、1号車デッキの貫通扉の窓がいつのまにか従来の金網入りガラスから樹脂板(ポリカーボネイト)に交換されていました。 石や氷塊がぶつかってもガラスより割れにくいので、JR北海道では特急列車の外窓などに多用されている素材です。 先月乗った時の車両は金網入りガラスのままでしたから、ここ最近になって換えられたか、順次交換を進めている最中なのかも知れません。 趣味的には目障りな金網が無くなったので眺めは良好、写真も撮りやすくなったのは嬉しいところですが、経年劣化で傷がついたり、徐々に白濁することもある素材なので、いつまで今の綺麗な状態が保たれるかいささか心配ではあります。 一昨年暮のダイヤ改正以降、函館駅での停車時間が12分とかなり余裕のある設定になったので、多少の遅延はここで吸収してしまえるようになりました。 今回も函館発車は21時48分、定刻通りです。 いつもは「北斗星」の発車とほぼ同時に函館に到着する後続の上り特急「北斗20号」、今日は10分ほど遅れているらしく、函館発車後、ちょうど五稜郭ですれ違いました。 ポリカーボネイトの思わぬ効用を発見! この季節、特に列車最後尾では舞い上がる雪がガチガチに固まって窓も全て埋め尽くしてしまうことが珍しくないのですが、ポリカーボネイトはガラスに比べて「しなる」素材なので、こびりついた雪塊が振動によってドサッと落ちてしまうことが間々ありました。 きちんと比較したわけではありませんが、感覚的にはガラスよりも随分落ちやすいような気がします。 おかげでタイミングよく視界が開けてこんな写真を撮ることができました♪ 真夜中の3時過ぎ、急に列車の速度が落ちたと思ったら、「日詰」という小さな駅に停まりました。 ホームには保線とおぼしき作業員さんの姿が多数。 ほどなく動き出しましたが、何か工事でも行われていたのでしょうか? 6時前、福島手前で目が覚めました。 外はだいぶ明るくなってはいたものの、まだまだ夜明け前といった趣です。、 福島発車は6時17分。 6時33分、只今17分ほどの遅延で運転中…と朝一番の車内放送が流れました。 今朝も厳しい冷え込みです。 郡山を過ぎてもまだ雪景色が続いていました。 今回、札幌発車前から各部屋・寝台にアンケート用紙が置かれていました。 「北斗星」の利用頻度や今回の乗降車駅、設備やサービスについての要望など。 好意的に捉えるなら、震災以降、いささか需要が低迷気味だった「北斗星」のテコ入れ策を探る為。 うがった見方をすれば、「お客様の意見は伺ったのですが…」という、廃止に向けてのアリバイ作り…といったところでしょうか? いずれにせよ、何故このタイミングで?というのはやはり気になるところではあります。 本当は「自由回答欄」は無かったのですが、勝手に思いの丈を色々記させて頂きました。 「北斗星フリーク」…というよりも、時に仕事で、時に家庭の事情等で、実用的な移動の足としてこの列車を常々必要としている「北斗星ユーザー」としての率直な意見、少しでもJRさんに届いてくれたらと願うばかりです。 遅延の影響で到着ホームが変わり、おかげで思いがけず良い構図で写真を撮ることができました。 いつもの13番線ではなく今日は15番線、終点・上野には30分ほど遅れての到着でした。 ▼Next ▲Prev △Page top ■Menu |
【寝台】 A1:1人A個室ロイヤル A2:2人A個室ツインDX B1:1人B個室ソロ B2:2人B個室デュエット B上:B寝台上段 B下:B寝台下段 |